聖母メアリー/その2

kan-art2006-02-28

メアリーが、一体どのくらいの期間を芸大キャンパスで過ごしたのかは、正確なところは分かりません。只、相当昔からいたことは確かなようです。しかも、長年暮らしてきただけでなく、芸大キャンパス内でかなりの数の子供も産み落としているということでした。ですから、あの中には生まれながらの芸大っ子といのも相当数に昇っていたようであります。学生たちからもかなり慕われていたようで、メアリーの姿を見かけなくなった時には、有志の学生たちの間で「メアリー捜索隊」なるものも結成され、バイト先から拝借してきたトラックなどを駆使し捜索活動を行ったという話しも聞きます。まさに“芸大の聖母”だったのかもしれません。
こうして長い月日をかけ、“芸大生まれの子”“新規参入者”たちにより、ワンワン天国は形成されていったのです。キャンパス内をのんびりと、そして自由に行き来し、学生たちと共に食事をし、時には講義に出席(?)している子もいました。この何とものどかな風景は、大阪芸術大学には欠かせないものでした。
しかし、ある日のことでした…。彼らは忽然とその姿を消してしまったのです。一体彼らの身に何がおきたのでしょうか?(続く)