幸運な出逢いの数々/その4

この人との出逢いも幸福でした。

すぐに完全退社とはならず、嘱託としてサントリーにしばらく籍は残りましたが、5年後の84年にその嘱託勤務も辞して、身柄は大阪芸大へと移りました。今でも「サントリー宣伝部の〜」と言われることの多いカンさんですが、大阪芸大には非常勤講師時代を含めて31年在籍と、サントリー(嘱託を含めて27年)より長かったのです。依田先生との出逢いがなければ、サントリーで定年まで務めていたかもしれません。「運も実力の内」という言葉がありますが、何かしらピンチが訪れた時、又は訪れようとした時に、いつもそれを救うこととなる「幸運な出逢い」に恵まれました。
サントリー宣伝部の皆さんや北杜夫さんはもちろん…佐々木家が危機的状況を向かえている時に出逢ったのが、当時デヴュー直後のかんべむさしサンでしたし…イラストの仕事がめっきり少なくなった80年代終わりには、食魔人・小泉武夫さんとの出逢いがあり、イラストレーターとして再び息をふきかえすことができました。
「もし、あの時あの人に出逢わなければ〜」が非常に多い人生だったのではないでしょうか?もちろん、イラストレーターとして…だけではなくプライベートや芸大の先生としても数々の幸運な出合いがありました。そしてそれらの出逢いがまた、後にイラストレーター・佐々木侃司に大きな影響を与えました。その1つ1つの出逢いについては、またいずれ…。